凄え医者
凄え医者
看護婦が出て行ったドアを見ながら友達に問いかけた。
「今の子は暗算が出来んだな」
「あれでよく看護婦やってけれるな」
すると
「あんなのに驚いちゃかん」
「もっと凄え医者がいる」
と話し始めた。
「入院して前の日に下の毛を刷るら」
「うん」
「そんで一晩寝て、しりつする日の朝に点滴やるって来たもんで手え出いただん、下手だもんで四回もやっても出来んもんで男の看護師を呼んで来て、ようやっと出来ただに」
「ふーん」
「へんな敬語ばっか教えてて点滴なんか教えてへんだら」
と言ったあと声を潜めて
「医者の方がもっとひどいぞ」
「しりつ終わってから毎朝ー回診に来るら」
「うん」
「そん時医者が
(点滴やらなければいけませんね)
と、看護婦に言ったら
(私自信がありませんわ)って返事しただん、そいつがこの前四回も失敗した奴だったもんでどうなるかと見ていたら
医者が(僕も自信なくて出来ないでやって)って言ったもんでその下手な看護婦が二回も失敗して点滴しただぜ。」
「うまくやりいんで やってって ゆって やらしただぜ」と繰り返した。
「看護師が出来んことやるのが医者だら」
「それが出来んで済んじゃうなんて信じれんら」
「あの医者は博士になるから点滴が出来る必要ないと思ってるだかいなあ」
と呟くように話した友達に
「飛行機ん中で(急病人が出ました。お医者さんはいらっしゃいませんか)って放送があっても知らん顔してるだら」と言ってやった。
すると友達は言った。
「あれじゃあ医者じゃなくて医師にもなれんな」
あの凄え医者は、ただあの大学の医学部にはいる事が目的で医者になることが目的じゃなかった。彼より地方の医大卒の医者は医者の心をよりもっと強く備えていると、帰り道の車中で考えたことだった。
Ipad使用
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